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導入事例 社団法人 日本将棋連盟様 社団法人 日本将棋連盟様

日本将棋連盟の関東奨励会では奨励会員同士の対戦表を作成するのに、「関東奨励会における対戦表自動作成システム」を開発・導入している。 複雑な考慮条件をクリアしながらも、瞬時の計算が可能で、これまで1日2時間半かかっていた作業が、ほぼゼロになり、関東奨励会では時間の効率化が大きく進んだ。
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Interview
以前は対戦表作成に 50 × 3 局。時間の効率を探る

数理システムに開発を発注した理由を教えてください。

常盤様 ネットで検索して社名は知っていましたが、実際にお願いしたきっかけは、PC関係の雑誌記事に小さく取り上げられていたことです。 対戦表を自動作成するシステムの必要性を感じていたので、記事を読んで「これは期待できるぞ」と。 対戦表を手作業で作成するのは、とても煩雑です。 それを論理的に解決するとなると、序列や確率を扱う必要があります。 それでシステム制作会社を選ぶなら、「統計」や「数理科学」をきちんと取り扱えるところがいいと思っていました。

システム開発前は、どのように対戦表を作成していましたか。

西尾様 以前は一人ひとりの名札を作り、それを机に並べて対戦者を組み合わせていました。 台帳見ながら「誰と誰は過去10局以内で当たっていないか」とか、「この奨励会員は最近強い相手とばかり当たっているから、次は段級位が下の人を当てよう」など考えて決めるのです。 すべて手作業ですし、論理的なことだけでなく、感覚的な条件も考慮する必要があるので、1局の対戦を決めるのに、どうしても50分近くはかかっていましたね。 対局は1日に多い人で3回あるので、対戦表の作成にかかる時間は1日2時間半。 しかも2回戦、3回戦は、前の対局の勝敗が関係するため、対局終了後、すぐ相手を決めなければなりません。 前日に何通りか考えておくのですが、当日に休みの奨励会員が出てくると組み直しです。 私が幹事になった時には、手書きではなくPCを使ってExcel入力になっていましたが、手作業であることには変わりませんでした。

プロトタイプのクオリティに驚き

どんな期待を込めて開発を発注したのですか。

西尾様 実は「本当にこれが実現すれば、すごいな」とは思いましたが、「無理かな?」という気持ちも、正直言って頭にありました。 というのは、システムに落とせる部分と、落とし込めない部分があるだろうと思っていたんです。 昇級規定に加えてさまざまな条件、例えば有段者は1日2局で初級者は1日3局とか、そうした異なる条件をすべてクリアするのは難しいかな、と。

常盤様 対局の考慮条件には、案外ファジーな部分もあるんですね。 手作業の良さは、そんなファジーな部分を人間が頭で考えて判断するところにあります。 だから最初の条件定義が連盟内で出てきたのを見た時、けっこうファジーな部分があったので、「果たしてここまでうまく判別できるのか」「本当にプログラムとして可能なのか」と、私も思っていました。

西尾様 初めに提出した条件定義は、本当に大まかなものだけでした。 「直近の10局以内に対局した人同士は当てない」「2階級差以内の対局にする」といったことです。

常盤様 結局、その程度に留まったシステムになるかもしれない。 それだけでも、プログラムがあるのとないのとでは違うだろう、と考えていました。

そしてプロトタイプを試されましたが、いかがでしたか。

西尾様 こちらから提出した条件はクリアしていて、クオリティの高いものでした。 もちろん完成までには話し合いを何度も行う必要がありましたが、打ち合わせを重ねる中で当初の不安は消えましたね。 毎回さまざまな条件を出しましたが、数理システムのプログラムはそれに応えてくれました。 現在はシステムとして完成しており、本当に満足して使っています。

常盤様 実際にシステムを作成する方が打ち合わせに来てくれたことも大きかったですね。 要望に対して、その場でできる・できないを判断してもらったおかげで、スムーズに進みました。

大切なのは要望が伝わり、システムが機能すること

システム導入前後で、具体的に何が変わりましたか。

西尾様 メリットは何と言っても時間の短縮です。 1日に2時間半も取られていた対戦表の作成が、今はほぼゼロになりました。 以前は対戦表を作るのに手一杯で、当日対局する奨励会員に対するケアの時間があまりとれませんでした。 奨励会の幹事として、その部分を改革したいという思いがありましたが、時間ができたので、その改革を進めることができます。

常盤様 奨励会員はプロ棋士の卵のような存在。 将来、将棋界を担う人が埋もれています。 幹事の仕事は重要な責任がありますし、その責任が果たせる環境になったのは、大きなメリットですね。

今振り返って、システム制作にあたり、何が重要だと思われますか。

常盤様 成果物がきちんと機能していることです。 具体的には、制作していく中でのやり取りで、こちらの要望がきちんと伝わり、その通りにシステムが機能しているかどうか。 ベンダーによっては、そこを取り違えて成果物を持ってくることがままありました。 「こんなはずじゃなかった」と修正作業が出てくると、お互い気まずいですし、こちらの満足度や信頼度も下がってしまいます。 今回はそういうこともなく、「きちんと要求に応えたもの」を作っていただきました。 これは価値のあることだったと思います。

西尾様 対戦表を作るためのフォーマットができたことは、将棋連盟にとっても、将棋界にとっても意義があります。 今後、OSのバージョンアップなどメンテナンスが必要になると思います。 数理システムのサポートにも期待しています。

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