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導入事例 株式会社ビデオリサーチ様 株式会社ビデオリサーチ様

テレビ視聴率をはじめ広告・マーケティング活動に必要な各種調査データを提供している株式会社ビデオリサーチ。 2007年、数理システムとともにデータ統合の1つの手法であるデータフュージョンを実行するシステムを開発し、サービスに応用してきた。 今回、そのシステムを機能拡張し、新たなサービス展開を始めている。
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Interview
2007年、データフュージョンシステムを数理システムと開発

以前からデータフュージョンの技術開発に取り組まれていましたね。

片柳様 データフュージョン(フュージョン:融合)とは、2種類の調査データをサンプルの共通項目の類似度に基づいて融合し、擬似的にシングルソースデータを作り出すことです。 当社では2000年代からこの技術開発を進めており、2007年には数理システムとともにNumerical Optimizerによりシステムを開発し、調査レポート作成などに活用してきました。 2種類の異なるデータを融合することで、個別データでは分からなかった知見を得ることができます。 当社ではテレビ視聴率調査と生活者動向に関する独自調査を融合し、「この番組を視聴した人は、このような趣味の人が多い。このような商品に興味を持っている」といった分析を行い、それをレポート等で提供してきました。

データフュージョンのイメージ
「ローテーション」と「ビッグデータ」への対応を目指し機能を拡張

機能拡張を行った理由とポイントを教えていただけますか。

片柳様 今回行った機能拡張は大きく2つあります。 1つは、ローテーション対応です。 前回開発したデータフュージョンシステムでは、調査データに存在するサンプルがもれなくマッチング対象となっていました。 しかし、データの1つであるテレビ視聴率調査は対象世帯のうち一定数が定期的に入れ替わるため、継続的にマッチングを維持していくことはできません。 そのため、入れ替わったサンプルも新たにマッチングさせる必要がありますが、その際、集計結果に影響が出ないようデータの内容や質を保持することが求められます。 技術的に非常に難しい課題でしたが、その解決に今回も引き続き数理システムの力を借りました。 これによってテレビ視聴率データの活用の幅を広げることができました。
もう1つはビッグデータへの対応で、こちらは後述の新サービス展開も視野に入れた機能拡張です。 そのシステム開発も数理システムに依頼し、物理的には最大100万件のデータ同士のフュージョンが可能という検証結果が得られています。 これらの機能拡張により、データフュージョンのポテンシャルがさらに高まり、その応用範囲も広がりました。

機能拡張にあたって、どんな点に注力されましたか。

片柳様 ローテーション対応では対象者が入れ替わっても、できる限り高精度にマッチングの状態を維持できるよう新たにロジックを開発しましたが、その作り込みに注力しました。 特に難しかったのが、ローテーションで新たにマッチングさせるサンプルをどのようにもう一方のデータと紐付けるか、という点です。 新たなサンプルにはそれまでのデータが無いため、紐付けしようにもできません。 その問題を解決する考え方や手法を数理システムの担当者にご相談しながら開発を進めました。 集計結果の精度に関わる部分でしたので、満足いくテスト結果が得られるまで何度も検証を行いました。 こうしたロジック構築には数理計画法の知識と技術が不可欠です。 数理システムからこの分野のプロフェッショナルとしてのアイデアと丁寧なサポートを受け、課題をクリアすることができました。

ローテーションへの対応方法
新世代データフュージョンにより、ビッグデータ統合など新サービスを展開

新しい視聴率データサービスを展開されていますね。

片柳様 当社創業時からの事業であるテレビ視聴率調査と、「生活者属性」「商品関与」「メディア接触」を同一サンプルに調査した当社独自の大規模調査『ACR/ex(エーシーアールエクス)』、それぞれの調査結果をデータフュージョンシステムにより融合したデータサービス『ADVANCED TARGET(アドバンスドターゲット)』を、2016年10月より放送局様や広告会社様にご提供しています。 このサービスにより、従来の性年代や職業別の視聴率に加え、ライフスタイルの違いや特定商品カテゴリの利用状況別など、多様な切り口で視聴率を日々集計できるようになりました。 また、ご契約いただいているお客様ご自身で、目的に応じて集計ターゲットや集計内容の設定をしていただけます。 放送局様にとっては自社の番組のより詳細な視聴者像を知る手がかりとして、また広告会社様には広告主様に番組をセールスする際の資料としてご活用いただいています。

さらに、ビッグデータ統合のサービスも立ち上げられました。

片柳様 2017年11月よりビッグデータ対応の新サービスもスタートさせました。 このソリューションサービスは『VR LINC(ブイアールリンク)』という名称で、テレビ視聴データをはじめとする当社保有データを、DMP(データマネジメントプラットフォーム)を通して、企業様が保有する会員情報やアクセスログ、アンケートなどの各種データに連結・統合するものです。 その結果は自社顧客や潜在顧客の理解促進をはじめ、マーケティング戦略の立案、具体的な戦術の策定などにご活用いただけます。
今ビッグデータが注目され、さまざまなデータ取得が可能となっていますが、それらデータは項目が限定されていることが多く、なかなか思うように活用できないことがあります。 そんなとき、このサービスのデータフュージョン機能によりデータをリッチ化することで、ビッグデータ活用の範囲を一段と拡大することができます。 現在、インターネット広告関連会社様やIT系企業様など、当社とこれまでお取り引きのなかった分野のお客様にもご利用が広がっています。 今後も、調査サービス会社としてデータ活用をさらに広げる技術や手法を追求していきたいと考えています。

お客様保有のデータをリッチ化するデータ統合ソリューション『VR LINC』

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