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導入事例 「当直シフト編成ツール」を開発・導入 大阪ガス株式会社様

社内向けに開発した緊急出動スタッフの当直シフト編成ツールが、実務で大活躍している。シフトの対象となるスタッフの人数が多く、また編成ルールが複雑なため、以前は1カ月分の予定を組むのに1週間を要していた。しかし編成ツール導入後は作業時間がわずか4時間に。出てきた結果の精度も高く、業務効率化に大きく貢献している。
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Interview
作業時間が最大10分の1に。結果の公平性の高さにも満足。

Numerical Optimizer を活用して開発したツールの概要をお聞かせください。

小林様 大阪ガスは24時間365日、地域に根ざしたライフラインであるガスの安全を見守っています。通報があれば、すぐ保安基地から保安のプロフェッショナルが駆けつけます。そうした緊急出動スタッフの当直勤務シフトを自動で編成するツールです。

河本様 私たち情報通信部ではITインフラの整備のほか、意思決定を支援するためのデータ分析、現場業務の効率化に寄与するツール開発なども行っています。当社業務が多岐にわたるので、「解決したい問題がある」と情報通信部に寄せられる相談はさまざま。しかも複雑な意思決定に関わる事が多い。だから数理計画は必然的に重要なソリューションとなっています。

シフト編成ツールで、どのような問題を解決したのですか。

河本様 当社エリアは5地区に分かれていて、1つの地区につき複数部署から成る約200人の緊急出動スタッフがいます。彼らの勤務シフトを日数の間隔や曜日の公平性を守りながら編成します。難しいのは、これとは別のシフトに組み込まれている人がいること。また2人1組の出動体制とするのに2人が同じ部署ではいけないなど、たくさんの制約が複雑に絡み合います。それを以前はすべて手作業で組んでいたんですね。そのため編成担当者は作業に多くの時間をとられていました。

小林様 1カ月分を組むのに、通常でも延べ20時間ほどかかります。休日が多い正月やGWを含む月は制約が増え、作業は40時間にのぼることも。間違いが見つかれば組み直しです。この作業が毎月、各地区であるわけです。これを自動化できれば大きな効率化につながることから、Numerical Optimizerを用いたツール開発に取り組みました。

河本様 結果は上々でした。今は、入力データの準備、ツールで計算、そして計算結果を微調整してシフトが完成するまで4時間です。欠員が出ても入力データを1カ所書き換えるだけで、すぐ再計算できます。

小林様 シフトの質も高まりました。スタッフの負荷を平準化した結果が必ず得られます。人が考えて組んでいたときの「この程度の偏りは仕方ない」ということがない。以前は組むたびに、現場から「公平じゃない」と数件のクレームが発生していましたが、ツール導入後はゼロ件! 編成に苦労した正月とGWもまったく問題なく、真価を発揮しました。

プロトタイプを実務で試し、高まった現場の期待感 数理計画ソルバーに Numerical Optimizer を採用した理由は。

河本様 数理システムは数理計画ソルバーのベンダーであるだけでなく、システム開発のコンサルティングにも定評があります。今回のツールは自社開発で挑みましたが、どうにも行き詰まったときには受託開発に切り替えられる、という安心感が大きかったですね。

効率的に開発を進めたそうですね。

小林様 最適化モデルを構築するには、編成担当者が考えているロジックを数式で表現する必要があります。そこで実務を知るため、また実情に沿ったツールに仕上げるため、まず現場業務のヒアリングを行いました。現場が忙しい中でもきちんと話を聞かせてもらえるよう、社内決裁をとってプロジェクト化。少ないヒアリング時間を充実させるため、事前に質問事項を整理しておくなど工夫しました。

プロトタイプは、どのような形で披露しましたか。

小林様 これから編成作業が始まるという時期に、プロトタイプを携えて現場に出向きました。
「実際の編成作業で試しましょう。成功したら今回のシフトに使えますよ」と。緊張しましたね。でも結果は非常に有効でした。出てきたものに少し手を加えるだけで、その月のシフトが組み上がりましたから。プロトタイプの段階で、すでに作業時間はわずか1日にまで減ったんです。こうなると現場のツールへの期待は自ずと高まりますよね。あとは詰めの開発を行い、ツールとして完成させました。
以前の編成作業
以前の編成作業の様子。担当者は机中に紙を広げ、必死にシフトを組んでいた。

2 つの山を乗り越えて、開発スピードが加速 プログラム開発はスムーズに進みましたか。

小林様 実は、私自身はプログラムを組むのが苦手。でもNumerical Optimizerにはコードサンプルが書かれたマニュアルがあり、そのまま自分たちの数式に置き換えればよかったので助かりました。とはいえ、完成までには2つの山を越えなければならなかった。1つはロジックを数式に落とし込むコーディングです。うまくいかず数理システムに問い合わせると、部分的なアドバイスではなく、実行できる状態で返してくれました。それにより、すぐに修正して次のステップへと進むことができました。 もう1つの山は最後にツール化する大詰めの段階です。このときはプライベートセミナーを開いてもらい、実際に現場で使えるツールに完成させるノウハウを教わりました。何カ月もかかると思われたプロセスが1日で終了しました。おかげで開発スピードは加速。もしこうしたサポートがなければ、まだ完成していなかったと思いますよ。

シフト編成の自動化による波及効果もあったようですね。

小林様 まず全体的にデータ化が進みましたね。手作業で組んでいたときは、記録をすべて紙で残そうとしていました。でも編成業務を自動化するために、それ以外の部分もデータ化された。関連する業務も大幅に効率化されました。

河本様 当直勤務シフト以外にも、社内にはいくつものシフト業務があります。今回の成果が知られるようになり、別のシフト編成担当者からも「うちも使いたい」と引き合いが来ているんですよ。これからどんどん広がっていくでしょう。開発部門としてうれしい限りです。

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