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導入事例 食用油脂配送 配車計画システム 株式会社カネカ様

カネカの高砂工業所では、2005年に「食用油脂配送 配車計画システム」を開発し、業務効率化を促進した。その後、状況の変化に合わせてプログラムを改編することで、今も毎日の業務に不可欠なシステムであり続けている。「きちんとメンテし、使われる仕組みに」との考えのもと、数理計画法を活用した取り組みは、全社へと広がっている。
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Interview
ずっと使い続けている配車計画システム

2005年に開発した配車計画システムを、今も大いに活用しているそうですね

佐藤様 食用油脂を配送するタンクローリーの配車計画システムです。食品部では業務用のマーガリン・ショートニング、ホイップクリームなど高級菓子用油脂、食用油脂、パン酵母を製造しています。出荷方法は製品によって異なりますが、食用油脂はタンクローリーのタンクに直接注入して運びます。そのときの制約がとにかく複雑。お客さまからは日々オーダーが入るので、配車担当の河合がこのシステムでプログラムを実行しない日はありませんね。

河合様 配車計画の対象は、輸送会社と契約しているタンクローリー×15台です。食用油脂を蓄えるタンクは3つに仕切られていて、オーダーに合わせて1 〜 3種類の油脂を、指定の場所・時間に納品します。どの車両に、どの種類の油脂を積み、何時にここを出発させれば、車の割り当てが最も効率的か。これを考えるだけでも複雑ですが、そこに製品、車両、納品先それぞれの特性に絡む制約が40種類も加わります。システム化以前は制約を頭の中で思い返し、過去数回の配送履歴を見直しながら、鉛筆と定規で計画表をつくっていたので、本当に大変でした。でも数理計画法アルゴリズムを適用したこのシステムなら、それらを満たした配車計画が組めるんです。

このシステムでは計算エンジンにNumerical Optimizerが使われていますが、なぜ数理計画法に着目したのですか。

木村様 私たち工場システム開発グループは、製造工場の企業競争力強化をIT化により支援しています。以前、プラントの生産計画システムを構築した際、数理計画法にトライしたところ、大きな成果が得られたんです。この技術を他の分野でも使えたらと思い、各現場に課題をヒアリングすると、すぐに食品部が乗ってきましたね。

島原様 私は、今は工場システム開発グループですが、当時は食品部に所属していました。配車計画は手間がかかるうえ、担当者には経験とスキルが求められるので、非常に属人的。しかも制約の見落としはクレームとなりかねず、担当者の精神的な負担も大きかった。これをシステム化できれば、業務効率化とストレスからの解放の一石二鳥になると、手を挙げたんです。

人が考えたような結果を、人よりも正確に 開発を進める際には、とても丁寧に要件定義にまとめたようですね。

木村様 何しろ制約の数が多い上、人の記憶にしかないものだったから、それらを正確に洗い出し、要件定義としてまとめる作業には、ずいぶんと時間をかけましたね。でも、その作業こそ重要だった。おかげで人が考えたように現実的な結果が導き出されるシステムになりましたから。

システム化による効果の大きさをお聞かせください。

河合様 配車表を手書きで作成していた頃は、1週間分を組むのに最低半日はかかっていました。途中で変更が入れば、1日がかりです。それがシステム化で20分にまで短縮しました。制約がすべて登録されているので、以前のように「この制約を考慮し忘れた」ということがないから、安心して使えますね。

佐藤様 担当者は効率化した時間を、別の生産性の高い業務に使うようになりましたね。業務の特異性も薄れたので、これからは誰でも配車計画を立てられるように、今、まさに体制を整えているところです。

島原様 システム化によって輸送会社との協力関係も深まりました。実は1台のタンクローリーにつくドライバーは決まっているので、輸送会社からタンクローリーの稼働を平準化してほしいと、以前から要望されていたんです。でも手作業だと制約の整合性をとるので精一杯。そこでプログラムの条件に稼働の平準化も加えました。輸送会社が満足する結果が得られるようになったことも、忘れてはならない成果ですね。

プログラムを改編しスピードアップ。さらに使えるシステムに! 2010年にはプログラムに大幅な改編を加えたそうですが…。

河合様 システム化した当初は、20分という計算速度に感動しましたが、それに慣れたら、もっと早くならないかなと欲が出てしまいました。というのも、1回は20分でも、オーダーの変更が1日に4 〜 5回も入れば、けっこうな時間になります。また初めのうちは2 〜 3日分の配車計画だったのですが、業務効率の都合上、日常的に1週間分を、正月やGWには2週間分の計画を立てることにしたら、オーダー件数がプログラムの最大処理数88件を超える日が出てきました。そのため超えた分は別途配車し直し、切り貼りして配車表を完成させる状態だったんです。

島原様 数理システムに改編をお願いすると、最大処理数は150件まで拡大したのに、計算にかかる時間は2 〜 3分というプログラムで返ってきた。驚きましたね。制約の多さ、解きたい件数の多さは、組み合わせ最適化問題の中でもかなり難しいレベルだったそうですが、さらに使えるシステムにしてくれたんです。

間部様 オーダーの簡単な追加・変更なら、手直しで済むこともあるはず。でも河合がそうせずに、その都度、プログラムを実行するということは、彼女がアウトプットを信頼している、いつでも精度の高いアウトプットになっているからでしょう。

他にも数理計画法を用いて解決できる分野がありそうですね。

木村様 数理計画法を用いた取り組みは、いずれも成果が出ています。これを受け、当社の全工場にニーズを調査。テーマアップされた中から順次、システム化に向けた活動を始めています。生産プロセスには最適化要素がたくさん潜んでいますから、これからも数理システムとともにチャレンジしたいですね。

システムイメージ

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